合格速報

今年の初めにご紹介した坂本愛さんの進学先が決まりました!ジョージア工科大学(Georgia Institute of Technology)のMaster of Science in Analyticsというプログラムに合格。オンライン留学という形態で、1月から本格開始しますが、既にいくつかの予備的なコースを受講し始めているとのことです。

TOEFLも最終的に102点を獲得、「元」受講生となった坂本さんですが、思い返せば当塾の門を叩いた時は転職前で、MBA志望でした。それから様々な紆余曲折があり、塾をお休みされた時期もありました。その時々で悩み、考え、一歩進み、また悩み…というような歩みでしたが、最終的に進学先が決まってみれば、彼女のキャリアに鑑みて最良の結果になったと感じています。

その坂本さんがブログを更新しておられます。社会人として留学を決意するにあたってどのようなことを考えたかが赤裸々に、内容濃く語られており、性別や職歴などを問わず参考になると思いますので、ぜひお読みください。

https://baila.hpplus.jp/blogs/sakamoto_ai/58625
https://baila.hpplus.jp/blogs/sakamoto_ai/59209

私も読ませていただいて、「ああ、あのタイミングではこういうことを思い悩んでいたんだなあ」と、改めて認識させられた形です。当塾では、あっという間に点数が上がってサッと留学する人ももちろん多いのですが、紆余曲折に長期間伴走する形に(意図せず)なるケースもままあり、そのような生徒さんが合格されると感慨もひとしおです。「自分のことのように嬉しい」といいますが、「自分のことよりも嬉しい」というのが実感です。

それにしても「紆余曲折」とは言いながら、その時々で必ず正しい選択をしてきたように、外野からは伺えます。思い悩みながらも、最終的に自分の気持ちや直感に逆らうことなく、無理をせずに選択してきた結果、その時々の課題を最良の形で解決してきたように見えるのです。周囲からの雑音も少なからずあったと想像しますが、最後は自分にとってベストな選択を嗅ぎ分ける能力と、それを実行する勇気が凄いと思います。

先日改めて合格後のインタビューのようなことを行わせていただきました。彼女が河野塾で最も役立ったと感じているのは「ディクテーション」だったとのこと。ディクテーションといっても当塾のそれは世間一般で知られている学習法とは異なり、通訳作業との組み合わせになっていたり、そもそも書き取りをしない時点でディクテーションという呼称自体に疑問符がつくのですが、それはともかく、英語音声学を踏まえたうえで、英語音声にグリグリギリギリとしつこく向き合う手法が一番効果的だったとのこと。一定期間続ければ絶対に効果があるが、その手前でやめてしまうと効果がないだろう、とも。

また、基礎文法から洗い直したことは、通塾の初期段階から効果を感じており、仕事で英文を読む際などに既に効果を感じていた、とのことでした。英文を、語順をひっくり返さずに、前からグイグイ読めるようになったとのこと。これは最近になっていただくGRE受験者の方々からの感想ともピッタリ一致します。まあそもそもそのためにやっていただいているので、当然といえば当然なのですが、実感を聞かせていただくと心強く感じます。

「オンライン留学」という形態もコロナ禍を経てすっかり定着した感があり、当塾の生徒さんでも多くなっています。坂本さんが今回のプログラムで何をどのように学んでいかれるのか。学習法や時間術などの面でも大変興味がありますので、折に触れてお話を伺い、当ブログでお伝えできればと思います。まずはこれまでのご苦労をねぎらい、今回の合格を祝したいと思います。坂本さん、おめでとうございます!

「帰国子女でもなく、留学経験もない」坂本さんの語学学習

女性誌BAILAで当塾を紹介してくれた坂本さんは、ブログも書いておられます。先日、語学学習に関する記事を投稿されましたが、この内容が素晴らしく、多くの語学学習者の参考になると考えましたので、共有いたします(下記リンク)。記事はパート1・2に分かれており、パート2では河野塾を改めてご紹介いただいています。

https://baila.hpplus.jp/53558

https://baila.hpplus.jp/53569

河野塾、女性誌デビュー!(笑)

女性誌BAILA 2・3月合併号にて、当塾を紹介していただきました! https://baila.hpplus.jp/magazine

これまで語学誌などで記事を載せていただいたことはありましたが、今回はなんと30台働く女性向けの雑誌!ビックリでございます。とはいえ、ある生徒さんがどのように英語を学習してこられたかのインタビューに答えており、その中で言及していただいたという形です。

それにしても私が指導の中で力を入れている部分をピンポイントで評価していただき、感涙です。坂本さんは一時期お休みされていましたが、昨年よりTOEFL学習を再開、そろそろ目標の点数が出ると見込んでおります。

坂本さん、ありがとうございました!

受講生だより:ライティングも褒められた!

元受講生で、ウィスコンシン大学のMBAプログラムに留学している熊崎さんより、ちょうど一年ぶりぐらいに頼りがありました。早いもので、2年目も半分が過ぎ、留学もあと半年となっています。

早速一部ご紹介します。


「さて、つい先日、別のアメリカ人にライティングを褒められるという嬉しい出来事がありました。

半年ほど前から、マディソン在住の日本語学習者の集まりに参加しています。大学や独学で日本語を学ぶ人たちと若干名の日本人が集まって飲んだりお喋りをしたりする30~40人ほどの集まりです。そのグループLINEのチャットでアメリカ人の子が最近習った「遠慮しておきます」という表現を使って書いた日本語の文をネイティブにチェックしてほしいと言っていたので私が見てあげたのですが、その時の英文を別のアメリカ人に褒められました。ライティングをネイティブに褒められたのは初めてだったので嬉しかったですね。

これもやっぱり、大量のインプットのおかげだと感じます。R・Lの(繰り返しも含む)大量のインプットによってS・Wでアウトプットできる語彙や表現が増えました(Rのページ数でいえば、そろそろ5000か6000は超えたと思います!)。そして今回褒められた英文に関しては特に、英語らしい論理構造の組み立てができたのが大きかったのかなと思いました。Regardless ofや thereforeを入れるタイミングとか、ちょっと間を開けて”again,…”で読者にリマインドしたりとか、副詞を挿む場所とか、なんというか、良い英文はリズム的にここにこういう表現を入れて流れを作るよな、とか、読者はここでこの流れを期待しているよな、というのが感覚で分かるようになってきました。基礎にあるのは、河野先生と一緒にTOEFLライティングやGMATのSCに取り組んだときの経験ですね。CRやRCの指導を経て「この文の論理の芯は何か」にこだわって読む習慣が付いたのも、今自分が英文を書くときにいい感じに働き始めているなと感じます。

はい、というわけで発音を褒められたのに続き、ライティングも褒められたというご報告でした!

普段のコミュニケーションにおいてはまだまだできないことの多さに気を取られることが多いですが、こうした経験を励みに少しずつできることを増やしていこうと思いました。」


実際のLINEのやり取りも見せてもらいましたが、たしかにライティングが上達している!熊崎さんは当塾に通っていたころもライティングの伸びが速く、最終的に相当なレベルの英文が書けるようになっていましたが、さらに磨きがかかっています!アメリカ人の書いた日本語に対する分析も非常に鋭く、それをまるで論文のようなきちんとした英文で指摘しているので、傍で見ていた別のアメリカ人も、思わず褒めずにはいられなくなったのだと思います。

それにはたしかに留学中の大量のインプットも寄与しているでしょうし、ライティングを指導した時に指導した「副詞の位置」など、「どうすれば読みやすく、良い流れの英文になるのか」といった観点も心にとめていただいているようなので、順当に進化していっているのだと思います。

私として特に嬉しいのは、かつてリーディングで指導したことをライティングに生かしてもらっている点です。元々「ライティングに生かす」という観点からリーディングを指導している側面があるので、我が意を得たり、というところです。すべては連関していますので。

留学しても英語力が伸びる人、さほどでもない人がいますが、熊崎さんは明らかに前者で、それもかなりのレベルになりそうです。卒業までもうひと頑張り、最大限の成果を得て帰ってきてほしいと思います。

留学直前のYさんとお話しました

Babson Collegeに合格したYさんとお話させてもらいました。留学2日前、準備でお忙しい中にお時間をいただいてちょっと申し訳なかったのですが、色んな話題に触れることができました。小さいお子さんを含む家族連れでの留学となりますので、これまで同じ状況で留学した生徒さんの話などをしました。子供の教育の話で盛り上がり、留学のほうの話はそこそこで終わってしまいましたが…。

Yさんは合格した後も河野塾で学習を続け、発音・会話ともバッチリの状態ですので、全く問題なくMBAの授業に臨めると思います。それでも留学中にも音読・暗唱などの学習を続けることを勧め、本人もやる気なので、頼もしく感じています。

ひとつ私的に心に残った話として、「自分は文法が苦手だったが、河野塾に入る前はその自覚がなかった。河野先生に指摘されてそのことに気づき、授業や参考書などで補強できたのが良かった」というのがありました。これ、「あるある」です。最近は以前以上にに、「文法が分かっていない生徒さんが多いな」と感じます。そのせいで正確な読解ができない。にもかかわらず、その自覚がない。「なんかよくわからないけど点数が伸びない」という場合は「文法は大丈夫だろうか」と考えてほしいですね。

Yさん、改めて留学おめでとうございます!紆余曲折ありつつも、最後まであきらめずに留学を実現したことに敬意を表します。留学中のご報告、お待ちしております!

Fさんがマンチェスター大学MBAを卒業!

元受講生のFさんがマンチェスター大学(アライアンス)ビジネススクールをこのたび卒業されたので、デブリーフィングしていただきました。

Fさんが参加されたのはオンラインプログラムです。年に3回程度、香港でのスクーリングがあります。1回の滞在は3日間とのこと。

Fさんはフリーランスで、かなり忙しくお仕事されているため、本来の卒業時期より少し遅れての卒業となりました。そのあたりは学校側も心得ていて、最大で4年間在籍できるフレキシブルぶり。それでも時には退学せざるを得ない生徒も出てくるとのことでした。

お話を伺い、スクーリング時の写真を見せてもらっていると、これがオンラインでなく、普通に現地に行っての留学かと勘違いしてしまいそうなくらい、生徒同士が親密な雰囲気が伝わってきました。香港キャンパスでは当然香港人の率は高いものの、ヨーロッパ、イギリス、東南アジア、韓国、中東と、なかなかdiverseな面子でした。平均年齢が37歳と高く、50代のクラスメイトもいたとのこと。EMBAではないものの、やはり居住国を離れられない状況の人たちが参加しているようですね。

本拠地マンチェスターとシンガポールのキャンパスでもスクーリングがありました。マンチェスター滞在も3日間の弾丸ツアーで、英国の雰囲気を味わう時間はあまりなかったようですが…。

学友とのエピソードを色々聞かせてもらいましたが、ご自身のスピーキング力は下位のほうだったということで、日本人あるあるではありますが、相当苦労もあったようです。

しかし、これは私が常々生徒さんに伝えていることでもありますが、一番苦労したのは実はリーディングだとのことでした。他国の生徒と比べてスピードが遅く、消化しきれない時もあった。そこさえ何とかなれば、発言内容やアイデアの良さでは勝る自信があったのに歯がゆい思いをした、と。

マテリアルが消化不良であったとの思いは卒業後も残っており、これから時間を見つけて読み直し、理解を深めていこうと考えているそうです。それでも、消化済みの項目は、フリーランスということもあり、今後の仕事の中で大いに生かしていけそうだとのことです。

今回のオンライン留学での大きな気づきは、「価値を創造するような仕事をするためには、ある意味狂うことが必要で、それも正しい方向性で狂わなければならない」ということだったそうです。なるほど。しかしそのことにMBAで気づくとは。

私が勝手に想像するに、それはMBAの教科書に書いてあることではないでしょうが、ビジネススクールで様々なことを学び、経験するうちに、Fさんの中に元々存在していた思いが顕在化してきたのではないかと思います。授業中の教授の一言をきっかけに、授業内容とは直接関係のない事柄に思いを馳せ、その気づきが仕事に生きるというようなことは私も大学院で何度も経験しましたし、難しい課題を与えられてヒーヒー言いながらこなしていく中で気づくことも多いですしね。教科書に直接書いていなくても、書かれていることを様々な角度から吟味する中で思考が広がっていくこともあります。

まあFさんは河野塾に通われていた頃からクレイジーな働きぶりと勉強ぶりで、趣味も多彩なので、これ以上どこに狂う余地があるのかと思わないでもないですが…、おっしゃっている意味合いは理解したつもりですし、それが将来どのような形で現れるのか、非常に楽しみです。

Fさん、改めまして卒業おめでとうございます!今後のご活躍を、心から期待し、楽しみにしております!

受講生だより:リーディングがリスニングに好影響

元受講生で、ウィスコンシン大学のMBAプログラムに留学している熊崎さんからメールがありました。

ご多分に漏れず課題の量攻めにあっているようで大変そうですが、業界に特化したMBAプログラムであることもあり、学びが多く、充実した学業生活になっているようです。

「春学期は学部生を加えてのチームプロジェクトに取り組む予定で、先週学部生をリクルートするために面接官として学部生の面接に参加しました。もう一人のクラスメイトに助けられながらではありましたが、英語で面接官をするという面白い経験ができました。」

いや~、こういう体験、いいですね~。

「英語に関しては、聞き取れなかったり話せなかったりして落ち込む場面も多く、秋学期終了時点で当初期待していたほどの英語力の向上はまだないと感じています。半年ではそうそう簡単に上がるものではないということなんでしょうね。ただ、リスニングに関しては徐々に聞き取れるようになってきている場面もあり、この先どれくらい時間がかかるのかは想像もつきませんが、まだまだ聞き取れる箇所は増えてくるだろうという感触はあります。ゼミでも基礎科目のグループでも基本は私以外全員アメリカ人なのですが、学校に関係のある内容なら1対1での会話で相手が何を言っているのか全く分からないことはほとんどなく、スピーキングも徐々に積極的にできるようになってきています。問題はアメリカ人同士の会話。これは河野先生も渡米前に仰っていた通り、容赦ないですね(笑)。1ミリも内容が入ってこないことも多々あります。」

「全体として非常に緩やかな成長ながらも、比較的短期間でリスニング力が向上したと感じる場面もありました。秋学期の後半に企業戦略の授業があったのですが、毎回の授業前に課されるリーディングの量が半端でなく、授業もほぼ毎日あったので約2か月間、毎晩5~6時間のリーディングをするという生活をしていました。結果、リーディング力も伸びたのですが、同時にリスニングが明らかに楽になりました。音が聞こえるようになったというよりは、情報処理に脳が時間・労力をかけなくなったという感触でした。しかもリーディングに直接関係のある内容だけでなく、授業とは全然関係のないクラスメイトの話も馴染みのある内容なら聞き取りがぐっと楽になっていました。河野先生が仰っていた単語が”深く”身に付いている状態とはああこいうことかと実感した次第です。授業が終わった今、あの生活を自主的にしようという気にはなれませんが(活字の見過ぎで毎晩吐き気がするくらいだったので)、インプットの量は意識的に増やしていこうと思います。春学期の内容を見ると嫌でもまた似たような状況にはなりそうですが…」

これ、私が考えるに、めちゃくちゃ課題を読まされた結果として、英語のインプット量が一定の「閾値」に達したのだと思います。リーディングでもリスニングでも構文解析を(意識的であれ無意識的であれ)行っているわけですが、その処理の多くが「自動化」してきているのだろうと思います。リーディングを大量にこなすことでリスニング、さらにはスピーキング・ライティングというアウトプット面にまで好影響を与えるという好例だと思いますし、それを「閾値」に達するまで行ってようやく上達が自覚できるという例でもあるでしょう。それでもネイティブ同士の日常会話となると、背景知識を持っているかどうかなども関わってくるので、いまだにキツい、と。

「最近気づいたのが、聞き取れるか聞き取れないかは、話の背景知識の有無に非常に大きく関係しているということですね。アメリカ人同士の会話でも、授業の話や自分も知っているニュースの話などはかなり明瞭に聞き取れることが多いです。私の場合、河野先生に発音と細かい音まで聞き取ることを目指す大切さを教えてもらい、発音練習は渡米してからも毎日取り組んでいるので、音を拾う準備はそれなりにできている、ということかもしれません。逆に話の内容がアメリカの政治制度や大学スポーツなど内容的にも語彙的にも馴染みの薄いものになるとお手上げです。要は雑談が一番難しいということなんでしょうね。なので今はアメリカの政治や文化などの知識をつけるように心がけています。」

そして河野塾あるあるですが、やはり発音を褒められたようです。

「大学が留学生のために地元のボランティアをスピーキングの練習相手として紹介してくれるサービスがあり、有難いことに無料でネイティブスピーカーとマンツーマンの英会話をさせてもらっています。週2回ほどの頻度で、自由に会話したりスラングを教えてもらったりしています。発音を褒められました。アジア人であることは感じられるものの、私の言っていることの95%は分かり、彼が今まで会ってきた他のアジア人と比べると個々の単語の発音はかなり上手だと言われました。センテンスレベルだとまだchunkyで聞き心地が良くないとのことで、もっと流れるように話したほうが良いとも言われました。」

このchunkyとかchoppyという「日本人英語」の特徴は、克服に時間がかかります。河野塾の授業でも早いうちから取り組むポイントですが、やはり指摘されてしまう。大量のインプット・アウトプットを通して少しずつ改善していきたいですね。それにしてもこうした点を捉えて率直に指摘してくれるネイティブに教えてもらっているというのはラッキーですねえ。

熊崎さんはさらに自分でも文法や発音などの学習をする時間を取ってしっかりやっておられるようで、その姿勢には本当に頭が下がります。彼は年齢も若いので、最終的にかなりの英語力を身に付けて帰ってこられるのではないかと期待が高まります。

読書の重要性

現在アメリカに留学中の元受講生から便りがありました。やはりこの状況下、オンライン授業にどの程度の意味があるかという点については考えてしまうこともあるようです。しかしながら、通常であれば呼べないようなゲストスピーカーに参加してもらえるなど、オンラインならではの利点もあるとのことでした。

その便りの中で、英語で読書することの重要性についての言及がありました。以下引用です。

「…改めて感じたのはインプットの大切さでしょうか。実は日本に一時帰国中は、日本語の本ばかり読んでいたのですが、その時に、日本語であっても知らない言葉があれば無意識に辞書で調べている自分に気づき、わかっていたつもりではおりましたが、こういう風に自分の中の言語のボキャブラリーは増えていくんだなぁと感じて、洋書を読んでいく必要性を再認識した次第です。」

これ、私が授業内でも強調していることですし、自宅学習のメニューとして読書を組み込んでもらうケースも多いです。英語で本を読むということは、まず語彙の知識を常に活性化していることになり、構文把握の練習を不断に行っているということでもあります。このことが読書スピードや正確性はもちろん、リスニング、ライティング、果てはスピーキングに至るまで、全方位に効いてきます。

留学中の勉学、学友とのコミュニケーションなどにおいて色々と課題が浮き彫りになる分、そういったインプットの重要性にも改めて気づかされるということだと思います。

実際に留学中の方から貴重な証言を得た、という思いです。

留学の現状

昨年9月よりアメリカに留学している元受講生さんからご報告がありました。

新型コロナの影響で4月に一時帰国を余儀なくされていましたが、夏に再渡米したとのこと。留学2年目が始まったばかりです。

ところが米国に戻ったとはいえ、授業はオンラインがほとんどのようです。以下、彼の便りから引用します。


まず授業形態についてですが、履修している科目については、セメスター開始当初は対面での授業が一部あったのですが、スタートしてほどなくして教授がコロナにかかってしまい、オンラインに切り替わり現状は全ての授業がオンライン授業という状況です。こういう状況ですので、対面で行っている授業についても参加している生徒はほとんどおらず、実質的にほぼオンライン授業という状況です。

次に授業の質についてですが、これはもうひどいの一言に尽きます。従来のようなディスカッションはほとんどなく、基本的にはレクチャー形式になっています。それならまだましで、週2コマのうち1コマはasynchronous lectureと無駄に格好いい呼び方の単なる自習にしている授業もあります。ちなみに僕が履修している5科目のうち2科目がこの方式を採用しています。2コマのうち1コマが自習で済むなら、むしろ今までそんなに中身の薄い授業をしていたのかという気になりもしますが、正直これで授業料満額(しかも昨年より値上げしてます)を請求するのは、私費留学だと発狂しているなと感じます。

学生間の交流については、はっきり言って消滅したに等しいです。今までグループワーク後にランチに行ったり、グダグダと喋ったりすることがなくなり、時間をきっちり決めてビデオ会議を行い、終わったら解散という風になり、正直英語をしゃべる機会がほとんどないというのが現状です。(英語力、特にスピーキングは留学前レベルに戻った気すらしています笑)下記ご参考ですが、ネイティブの学生でさえこういう状況なので、留学生についてはもはや言うまでもないといったところでしょうか。
https://www.bloomberg.co.jp/news/videos/2020-10-12/QI2M3CDWLU6J01

色々と愚痴に近い近況報告となってしまいましたが、こういう風になって唯一良かったこととしては、自分の時間が従来と比べると圧倒的に増えたので、本当に自分のやりたい勉強に時間を気にせず集中できるのは、卒業後に待ち受けるサラリーマン生活のことを考えると、本当にありがたいことだなと思っている次第です。


いや~、大変つらく、腹立たしい状況ですね。せっかくアメリカに行っても、ディスカッションがなく講義形式、学生同士の交流もないのでは留学の意味は半減以下でしょう。もちろん日々の生活の中では異国ならではの体験や発見もあるでしょうが、その程度では留学費用と労力に見合わない。それなのに学費値上げのうえ、全額取られるとは!「私費留学なら発狂」というのもわかります。

こうした問題は国内でも起こっていますね。施設を使わないのに施設費を全額徴収されるなどの問題もさることながら、交流・ふれあいなくして何の学生生活か、という点が最も大きいと思います。オンラインでは「偶然の出会い」もない。Amazonでおすすめされる書籍を買うだけでは過去の自分の興味の範囲から出ることがない。リアル書店で偶然見かけた書籍が世界を広げてくれるというのと似ていると思います。MBAはむしろ人脈作りのほうが学業そのものよりも大きな目的だったりしますので、なおさらです。授業前後のちょっとした無駄話、ランチやカフェでのおしゃべり、パーティーなどの「不要不急」がいかに大事かということだと思います。座学だけならそれこそビデオで済むわけですから。

本人はそれでも「やりたい勉強をやれる時間」と前向きに捉えているようなので、救われました。学校によって状況は違うと思いますが、なかなか現状を変えるのは難しい中、それでも得るものはあると思いますので、この方に限らず現在留学している人は何とか頑張ってほしいと思います。