合格速報

受講生のMさんがUCL(University College London)のUrban Design and City Planningコースに合格しました!

MさんはMBAも視野に入れながらの留学準備でしたが、最終的に彼の職種や将来性にピッタリ合った学校・コースへの留学となり、本当に良かったと思います。

Mさんは発音はあっという間に上達しましたが、リーディングに難点がありましたので、最後まで構文解析や文章の論理構造の把握に努めました。粘り強い学習が実っての合格となりました。

Mさん、改めておめでとうございます!

MさんのGRE学習体験記

受講生のMさんがIESE Business SchoolのMBAプログラムに合格しました!

Mさんは、当塾に来られた時点でIELTS7.0を保持していたものの、読解力に難があると見ましたので、『英単語4000』や構文解析を扱った大学受験参考書をやっていただきつつ、授業内でじっくりと読解を行いました。

そのMさんからGREの学習体験記をいただきました。ほぼそのままの形で下に掲載します。GRE受験者には非常に参考になると思いますので、ぜひお読みください。


はじめに

河野塾でのGRE学習を検討されている方にとって一番の関心事と思いますが、私のVerbalスコアは157(GMAT換算で34)です。

これ以上の点数を狙われている方にとって、私の体験記は参考にならないかもしれません。

一方で、基本属性としてそもそも純ドメ、世間的に激務とされる職業で働く傍らエッセー作成も同時並行で進めるという勉強時間が十分に確保できない状況で、弱者が編み出した効率的な学習法であると考えています。

私と同じ状況に苦しまれている方にとっては一読の価値があるかと思っております。

※十分に学習時間がある方は、「時間があればしたかったこと」のセクションをご参照頂ければと思います。

学習方法

私がGRE Verbalに向けて対策したことは3つです。

  1. 河野先生とOGをひたすら解く
  2. Greg Matで解法を理解する
  3. GRE頻出単語を覚える
  1. 河野先生とOGをひたすら解く

Greg Mat でも学習法の指南として語られていますが、GRE Verbalを対策する上では単語帳を除いて、OG以外に手を付けるべきではありません。

愚直にOGを繰り返し解くことが最も効果的・効率的なアプローチです。

*OGは問題数が限られているから大事に解きたいという方はBIG BOOK(昔のOG)を活用して下さい

その上で、解説に乏しいOGを河野先生に伴走して頂きながら、「噛み砕いて読む」「分かるまで(=先生に明瞭に説明できるまで)読む」ことを繰り返すことで、読解の解像度が高まっていくことが実感できました。

単語はすべてわかるのに読めない、あるセンテンスから突然意味が取れなくなるという方は是非河野先生と学習してみて下さい。文字通り見える世界が変わります。

受験日が近づいてからは制限時間を設定して解き、先生に内容解説・時間配分のアドバイスについて頂くという方式を取りました。GREはタイムマネジメントが重要となりますので、時間をかければ正解ができるという段階に達した後は、このように時間感覚を持ちながら解くことをおすすめします。数少ない貴重なPREPもこの段階から着手して頂くのが良いかと思います。

  • Greg Matで解法を理解する

河野塾との併用という観点でご説明します。

Greg Matは動画見放題のサブスクサイトですが、たった$5/月でGRE Verbalのアプローチ・セクション別の解法を理解できる素晴らしいサービスです。

アプローチ・解法を理解するだけで点数は向上します。

一方で、本質的な読解力や単語力がないと解けない問題がGREには存在することも事実です。

その上で、Greg Matで学んだ解法と1.で説明した河野先生の愚直に読むコンビネーションは親和性が高いです。

河野先生のOG以外やらない、というスタンスもGreg Matのアプローチと合致します。

特にManhattanやMagoosh、他塾のオリジナル教材をいくら解いても点数が上がらない方は、1+2の方法をおすすめします。

  • GRE頻出単語を覚える

GREのSE/TCを得点源とする以上、ボキャビルは避けて通れません。

私も先生に「よくこの単語知っていましたね」と言われるほどには取り組みましたが、それでも知らない単語のせいで解けないことは往々にしてありました。

RCがそこそこ解けて、SE/TCに時間が割けるのであれば、以下①②③を8割目指すところまではやって頂いてもよいのかと思います。

  • 先生の「完全攻略! TOEFL(R)テスト英単語4000」のChapter 3・4(河野注:「コア単語100レベル」および「分野別頻出単語」)
    • Greg Matの単語リスト
    • ご自身でOG・BIG BOOKを解いて知らなかった単語

■時間があればしたかったこと

時間がなかったため、GRE Verbalの学習を優先したことわけですが、基礎固めの甘さには何度も後悔しました。

文法・構文や、中級程度の単語力に穴がある場合は、基礎に戻ることを厭わず取り組まれることをおすすめします。そのうえで、GRE単語の暗記に時間を投下して頂くと良いかと思います。

語源にフォーカスしたInstant Word Powerなども一定程度有用です。


「噛み砕いて読む」「分かるまで(=先生に明瞭に説明できるまで)読む」ことによって「文字通り見える世界が変わります。」とのことですが、これこそ我が意を得たり!「読めない」人に「読める」ようになってもらうために愚直に英文をかみ砕くという授業をやっている私にはありがたいお言葉です。昨年度は、こうした授業を多くの生徒さんにやってもらい、実際に読めるようになっていく様子に接して、改めてこのような読み方の効果と必要性を再認識した年でもありました。

裏を返せば、私が当初「この人は読めていないな」と判断した生徒さんが多かったということでもあります。Mさんと同じく「単語はすべてわかるのに読めない、あるセンテンスから突然意味が取れなくなる」という症状を抱えた方は多いはず。ぜひ当塾の門を叩いていただければと思います。

Mさん、改めて合格おめでとうございます!お忙しい中努力して結果を出されたことに敬意を表します。またお時間を取って体験記をお書きいただき、ありがとうございました。今回鍛えた読解力をもって、留学中も勉学に励まれることを期待しております!

単語集のやり方(3) ~完璧主義を避けよ~

単語集をやる際の目標設定として、多くの人が間違えるのは、「単語を永遠に覚えている」ことを目標としてしまうことです。

私は授業内で『4000』のやり方を手取り足取り丁寧に、明確に指導しているつもりですが、それでも間違えたやり方をしてしまう人が出てきます。その間違い方で一番多いのが、「単語の意味を言えても(チェックボックスに鉛筆で入れた)印を消さない」です。

「単語の意味を言えたら印を消して」と指示しているのに、なぜ消さないのか?それは「永遠に覚えているという自信がない」からです。つまり「今日はたまたま意味が言えたけど、明日も覚えていられるだろうか?一週間後は?一年後は?」と考えてしまうのです。そして「そこまで覚えている自信はないから、もう少し記憶が強くなるまで残しておこう」と考えます。その裏には、「せっかく英単語集をやる以上、しっかりやらなければならない」という思い込みがあります。「しっかり」というのは、究極的に言えば「永遠に英単語を覚えている状態」ということになるでしょう。意識的であれ無意識的であれ、単語集を用いた学習にこのようなイメージを持っている人は非常に多くいます。

それに対し、私は「ちょっとぐらいあやふやでも、記憶が長続きする自信がなくても、そのとき意味を言えたら印を消してください」と指示しています。なぜなら、印を消すのをためらっていると、印がいつまでも消えず、学習が停滞するからです。つまり英単語を完璧に覚えることよりも、スピード感を優先するのです。学習にはある程度のスピード感がないと停滞感が出て、気持ち良さを感じられません。そうなるとすぐに挫折してしまいます。世の中には、英単語に限らず、完璧主義に陥ったために何かに挫折してしまった人は多いはず。それでは本末転倒ではないでしょうか。

完璧主義を避けるべきもう一つの理由は、「永遠に覚えていられるかどうかを判断する方法がないから」です。英単語をいつまで覚えていられるかは、学習時点では判断できません。永遠はおろか、1年後に覚えていられるかどうかも分からないでしょう。それでは、いつ印を消せばいいのかに関する明確な基準がないことになります。基準がないから、1単語1単語につき自分の感覚で判断せざるを得なくなります。この判断に1秒~数秒の時間がかかる。判断するためのエネルギーもいる。明確な基準がないから判断がぶれ、いつも「これでいいのかな」と思いながら進めることになる。こうしたことにだんだん疲れてきてしまい、やはり挫折へとつながっていきます。

このように言うと「それでは記憶がいい加減な単語が出てくる。それらの単語は忘れてしまう。そうなったらどうするのか?」という疑問が湧いてくるでしょう。

今後の投稿でこの質問にお答えしますが、その前に「そもそも単語学習に対するイメージが違うのではないか?」というお話をします。

単語集のやり方(2) ~なぜ「潰す」のか~

なぜ単語集を「潰す」ことが必要なのかを説明します。

それは「仮の目標を設定する」ためです。

単語集をやる人は多いが、収録単語を覚え切る人は少ないものです。河野塾の門を叩く生徒さんでも、これまでに一冊の単語集をやり切った経験がある人とそうでない人では、後者の比率が圧倒的に高いです。そしてこれまでどのようなやり方でやってきたかを尋ねると、「う~ん、何度も眺めて…って感じですかね」などとおっしゃる方が多いのです。

これは適切な目標設定が成されていない状態です。すなわち「どういう状態になったらその作業が終わるのか」が明確でないのです。

単語集を覚えるという行為は、それ自体それほど楽しいものではありません。「苦行」と感じる人も多いでしょう。

終わりのない苦行に耐えられる人間はいません。何とか逃れようとします。単語集の場合、それは挫折を意味します。

苦痛な作業であっても「何のためにやるのか」(目的)と「何をすれば終わるのか」(目標)が明確であれば、耐えられます。

単語集をやっている人にとって、前者の「目的」は比較的明確でしょう。単語の意味をあらかじめ知っていることが学習の効率アップ、ひいてはTOEFLなど各種試験の点数向上につながると思うからやるわけですから。

問題は後者の「目標」です。これが、英語でいえばcrystal clear、つまり「水晶のように透き通った」と言えるほど明確でなければいけません。「不明な単語に付けた印が消えるまで」という目標はあいまいさがなく、明確です。これを「仮目標」とすることで、単語学習が挫折するのを防ぐのです。

それにしてもこの目標はなぜ「」なのか。それは単語学習の目標に関する、極めてよくある誤解と関係しています。この誤解については次回投稿でお話します。

単語集のやり方(1) ~「潰す」とは何か~

私は生徒さんに「単語集を『潰す』ように」と指示しています。では「潰す」とは何なのか?

それは「知らない単語に印を付け、覚えたら消す。印が全部消えるまで繰り返す」ことです。

やり方を具体的に説明します。本書では一つの単元に500単語が収録されています。最初のステップは、その500単語すべてについて、意味を知っているかどうかをテストすることです。

まず紙などを用意して、日本語訳を隠し、英単語の意味を思い浮かべます。

“quota”の意味はなんだっけ?

そして紙をずらして日本語訳を確認します。思い浮かべた意味が日本語訳と合致していれば特に何もせず次の単語に進みます。もし違っていれば左隣のチェックボックスに鉛筆で印を入れます。

紙をずらして意味を確認し…
間違っていれば印を入れる

日本語訳の下に、単語を記憶に「引っ掛ける」ための解説があります。この解説が全ての単語に付いているのが本書の特徴ですが、テストの際は解説は読まなくて結構です。

このようにして500単語すべてをテストし終えたら、最初の単語に戻ります。ここからが本番です。最初のテスト時に印を入れた単語のみ、テスト時と同様に日本語訳を隠し、英単語の意味を思い浮かべます。

印が付いた単語のみ行う

そして正しい日本語訳が言えれば印を消します

正解したら印を消す

間違えたら印はそのまま残しておき、解説に目を通します。

間違えたら印は残し、解説を読む

この「単語の意味を考える」→「正解すれば印を消し、間違えれば印を残して解説を読む」という作業を、その単元に含まれる全500単語(の内、印が付いたもののみ)に対して行います。単元の最後にたどり着いたら、日付を入れる欄に終了の日付を記入します。

単元の最後の単語に到達したら、日付を入れる

そしてまた最初の(印の付いた)単語に戻ります。日本語訳を隠し、単語の意味を思い浮かべ、正しければ印を消し…と、1周目と同じ作業を行います。最後の単語までたどり着いたら日付を入れ、また最初に戻ります。

2周目を終えたら日付を入れ、最初に戻って3周目

この作業を、全ての印が消えるまで繰り返します。これが「潰す」です。

ある単元の500単語を潰し終えたら、次の単元に進む前に、付属のCR-ROMに収録されている音声ファイルを用いて、さらに「潰す」作業を行います。音声ファイルのやり方については後の投稿で説明します。

音声ファイルも潰し終えたら、いよいよ次の単元に進みます。例えば「80レベル」の「1st」を終えたら、次は「80レベル」の「2nd」です。「2nd」についても本で潰し、さらに音声で潰し終えたら、「100レベル」の「1st」へ進むといった具合です。

こうして全単元を潰し終えたら、この単語集を1回終えたことになります。

ではなぜ単語集を「潰す」と発想すべきなのか?次回の投稿でお話します。

単語集の構成

河野太一執筆の『完全攻略!TOEFLⓇテスト英単語4000』には、タイトルの通り4,000個の単語が収録されています。

この4,000単語を、1,000個ずつのグループに分け、以下のように章立てしています。

1コア単語60レベル
2コア単語80レベル
3コア単語100レベル
4分野別頻出英単語

「コア単語」というのは、TOEFLやTOEICなどのテストを問わず、またトピックとなる学問分野などを問わずに登場する、英語の中核的な単語という意味です。

「60」「80」「100」などのレベル分けは、TOEEL iBTの満点である120点中、仮に60点を取るためには、その章に収録の単語は全て知っていなくてはならない、という意味です。

「分野別頻出英単語」は、地質学や天文学といった、TOEFLによく登場する学問分野に頻出する単語を集めています。

各章はさらに500単語ずつ(「分野別頻出英単語」のみ710と290)のパートに分かれています。この500単語のグループを順番に「潰してください」というのが、初回の授業で生徒さんに伝える「指令」です。「コア単語60レベル 1st」の500単語をまず潰し、次に「同 2nd」を潰し、そして「コア単語80レベル 1st」を潰し…という具合です。

なぜ私が「潰してください」と指導するのかについては、今後の投稿でお話します。